专利摘要:
治療有用性を有するインドール誘導体は、式(I)[Xは−SO2−または*−SO2NR3−である]のものであり、ここで、アスタリスクが付いている結合はAr1と結合しており;R1およびR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、CNまたはCF3であり;R3は、水素、C1〜C8アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであり、Ar1およびAr2は、独立に、フェニルまたは5もしくは6員のヘテロアリール基であり、ここで、該フェニルまたはヘテロアリール基は、フルオロ、クロロ、CN、C3〜C7シクロアルキル、−O(C1〜C4アルキル)またはC1〜C6アルキルから独立に選択される1個または複数の置換基で必要に応じて置換されており、後者の2個の基は、1個または複数のフッ素原子で必要に応じて置換されている。
公开号:JP2011509985A
申请号:JP2010542682
申请日:2009-01-16
公开日:2011-03-31
发明作者:ジョージ ハインド;ハリー フィンチ;ジョン;ギャリー モンタナ
申请人:プルマジェン セラピューティクス (アズマ) リミテッド;
IPC主号:C07D209-22
专利说明:

[0001] 本発明は、CRTH2受容体(2型ヘルパーT細胞上に発現する化学誘引物質受容体相同分子)のリガンドであるインドール化合物のクラス、およびCRTH2受容体活性の調節に応答する疾患、主に重大な炎症性成分を有する疾患の治療におけるその使用に関する。本発明は、そのリガンドのクラスの新規メンバーおよびそれらを含有する医薬組成物にも関する。]
背景技術

[0002] 肥満細胞は、ヒスタミン、ロイコトリエン、サイトカイン、プロスタグランジンD2等のいくつかのメディエータの放出により、アレルギーおよび免疫応答において重要な役割を果たすことが知られている(Boyce、Allergy Asthma Proc.、2004、25、27〜30頁)。プロスタグランジンD2(PGD2)は、アレルゲンチャレンジに応答して肥満細胞によるアラカドン酸(arachadonic acid)上でのシクロオキシゲナーゼの作用によって産生される主要な代謝産物である(Lewisら、J.Immunol.、1982、129、1627〜1631頁)。PGD2産生は、全身性肥満細胞症(Roberts、N.Engl.J.Med.、1980、303、1400〜1404頁)、アレルギー性鼻炎(Naclerioら、Am.Rev.Respir.Dis.、1983、128、597〜602頁;Brownら、Arch.Otolarynol.Head Neck Surg.、1987、113、179〜183頁;Lebelら、J.Allergy Clin.Immunol.、1988、82、869〜877頁)、気管支喘息(Murrayら、N.Engl.J.Med.、1986、315、800〜804頁;Liuら、Am.Rev.Respir.Dis.、1990、142、126〜132頁;Wenzelら、J.Allergy Clin.Immunol.、1991、87、540〜548頁)およびじん麻疹(Heaveyら、J.Allergy Clin.Immunol.、1986、78、458〜461頁)に罹患している患者において増加することが示されている。PGD2は、2つの受容体、PGD2(またはDP)受容体(Boieら、J.Biol.Chem.、1995、270、18910〜18916頁)およびTh2上に発現する化学誘引物質受容体相同分子(つまりCRTH2)(Nagataら、J.Immunol.、1999、162、1278〜1289頁;Powell、Prostaglandins Luekot.Essent.Fatty Acids、2003、69、179〜185頁)によってその効果を媒介する。したがって、PGD2の効果をその受容体において拮抗する作用物質は、いくつかの病状において有益な効果を有し得ることが想定されている。]
[0003] CRTH2受容体は、好塩基球、好酸球およびTh2型免疫ヘルパー細胞等のアレルギー性炎症に関連する細胞型上に発現することが示されている(Hiraiら、J.Exp.Med.、2001、193、255〜261頁)。CRTH2受容体は、これらの細胞型におけるPGD2媒介性の細胞移動を媒介すること(Hiraiら、J.Exp.Med.、2001、193、255〜261頁)、また、接触性皮膚炎のモデルにおける好中球および好酸球性細胞の動員において主要な役割を果たすこと(Takeshitaら、Int.Immunol.、2004、16、947〜959頁)も示されている。デュアルCRTH2およびトロンボキサンA2受容体アンタゴニストであるラマトロバン{(3R)−3−[(4−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−プロパン酸}は、これらの応答を減衰させることが示されている(Sugimotoら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、2003、305、347〜352頁;Takeshitaら、前掲書)。アレルギー性炎症を増強し、炎症応答を誘導するPGD2の両方の可能性は、マウスおよびラットにおいて実証されている。PGD2シンターゼを過剰発現しているトランスジェニックマウスは、アレルゲンチャレンジに応答して肺好酸球増多の増強およびTh2サイトカインレベルの増大を呈する(Fujitaniら、J.Immunol.、2002、168、443〜449頁)。加えて、体外から投与されたCRTH2アゴニストは、感作マウスにおいてアレルギー性応答を増強する(Spikら、J.Immunol.、2005、174、3703〜3708頁)。ラットにおいて、体外から適用されたCRTH2アゴニストは肺好酸球増多を引き起こすが、DPアゴニスト(BW245C)もTPアゴニスト(I−BOP)も効果を示さなかった(Shirashiら、J.Pharmacol.Exp Ther.、2005、312、954〜960頁)。これらの観察は、CRTH2アンタゴニストが、PGD2によって媒介される疾患の治療にとって価値のある特性を有し得ることを示唆している。]
[0004] ラマトロバンに加えて、いくつかの他のCRTH2アンタゴニストが記載されている。例として、インドール酢酸(WO2007/065684、WO2007/045867、WO2006/034419、WO2005/094816、WO2005/044260、WO2005/040114、WO2005/040112、GB2407318、WO2005/019171、WO2004/106302、WO2004/078719、WO2004/007451、WO2003/101981、WO2003/101961、WO2003/097598、WO2003/097042、WO2003/066047、WO2003/066046、WO2003/022813)、キノリン(WO2007/036743)、テトラヒドロキノリン(WO2006/091674、US2005/256158、WO2005/100321、WO2005/007094、WO2004/035543、WO2004/032848、EP1435356、EP1413306)、フェノキシ酢酸(WO2007/062678、WO2007/062773、WO2006/125596、WO2006/125593、WO2006/056752、WO2005/115382、WO2005/105727、WO2005/018529、WO2004/089885、WO2004/089884)およびフェニル酢酸(WO2004/058164)が挙げられる。]
[0005] WO2007/065684
WO2007/045867
WO2006/034419
WO2005/094816
WO2005/044260
WO2005/040114
WO2005/040112
GB2407318
WO2005/019171
WO2004/106302
WO2004/078719
WO2004/007451
WO2003/101981
WO2003/101961
WO2003/097598
WO2003/097042
WO2003/066047
WO2003/066046
WO2003/022813
WO2007/036743
WO2006/091674
US2005/256158
WO2005/100321
WO2005/007094
WO2004/035543
WO2004/032848
EP1435356
EP1413306
WO2007/062678
WO2007/062773
WO2006/125596
WO2006/125593
WO2006/056752
WO2005/115382
WO2005/105727
WO2005/018529
WO2004/089885
WO2004/089884
WO2004/058164
WO97/03094
WO97/02289
WO2005/026124
WO2003/053930
WO06/082412
EP1052264
EP1241176
WO2002/42298]
先行技術

[0006] Boyce、Allergy Asthma Proc.、2004、25、27〜30頁
Lewisら、J.Immunol.、1982、129、1627〜1631頁
Roberts、N.Engl.J.Med.、1980、303、1400〜1404頁
Naclerioら、Am.Rev.Respir.Dis.、1983、128、597〜602頁
Brownら、Arch.Otolarynol.Head Neck Surg.、1987、113、179〜183頁
Lebelら、J.Allergy Clin.Immunol.、1988、82、869〜877頁
Murrayら、N.Engl.J.Med.、1986、315、800〜804頁
Liuら、Am.Rev.Respir.Dis.、1990、142、126〜132頁
Wenzelら、J.Allergy Clin.Immunol.、1991、87、540〜548頁
Heaveyら、J.Allergy Clin.Immunol.、1986、78、458〜461頁
Boieら、J.Biol.Chem.、1995、270、18910〜18916頁
Nagataら、J.Immunol.、1999、162、1278〜1289頁
Powell、Prostaglandins Luekot.Essent.Fatty Acids、2003、69、179〜185頁
Hiraiら、J.Exp.Med.、2001、193、255〜261頁
Takeshitaら、Int.Immunol.、2004、16、947〜959頁
Sugimotoら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、2003、305、347〜352頁
Fujitaniら、J.Immunol.、2002、168、443〜449頁
Spikら、J.Immunol.、2005、174、3703〜3708頁
Shirashiら、J.Pharmacol.Exp Ther.、2005、312、954〜960頁
「Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,selection and use」、P.Heinrich StahlおよびCamille G.Wermuth、Wiley−VCH、2002
F.J.Leinweber、Drug Metab.Res.、1987、18、379頁
「Advanced organic chemistry」、第4版(Wiley)、J.March
「Comprehensive Organic Transformation」、第2版(Wiley)、R.C.Larock
「Handbook of Heterocyclic Chemistry」、第2版(Pergamon)、A.R.Katritzky
「Synthesis」
「Acc.Chem.Res.」
「Chem.Rev.」
「Chemical Abstracts」
「Beilstein」
T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective groups in organic chemistry」、John Wiley and Sons、1999]
課題を解決するための手段

[0007] 本発明の一態様は、式(I)のインドール誘導体:]
[0008] ]
[0009] [Xは−SO2−または*−SO2NR3−であり、ここで、アスタリスクが付いている結合はAr1と結合しており、
R1およびR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、CNまたはCF3であり、
R3は、水素、C1〜C8アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであり、
Ar1およびAr2は、独立に、フェニル、または5もしくは6員のヘテロアリール基であり、ここで、該フェニルまたはヘテロアリール基は、フルオロ、クロロ、CN、C3〜C7シクロアルキル、−O(C1〜C4アルキル)またはC1〜C6アルキルから独立に選択される1個または複数の置換基で必要に応じて置換されており、後者の2個の基は、1個または複数のフッ素原子で必要に応じて置換されている]
を提供する。]
[0010] 本発明が関与する化合物(I)は、CRTH2受容体アンタゴニストであるが、PGD2受容体またはトロンボキサンA2受容体等、他のプロスタノイド受容体における有益な効果も有し得る。]
[0011] 上記式(I)の化合物は、塩の形態で、ならびに、いくつかの場合において、そのN−オキシド、水和物および溶媒和物として、調製または回収できる。本明細書における特許請求の範囲を含む、本明細書における「本発明の化合物」、「本発明が関与する化合物」または「式(I)の化合物」等への任意の言及は、そのような化合物の塩、特に薬学的に許容される塩、N−オキシド、水和物および溶媒和物への言及を含む。]
[0012] 本発明は、(i)CRTH2受容体活性の調節に応答する状態の治療において使用するための薬剤の製造における本発明が関与する化合物の使用、および(ii)そのような疾患に罹患している患者に、有効量の本発明が関与する化合物を投与することを含む、CRTH2受容体活性の調節に応答する状態の治療方法も含む。]
[0013] CRTH2受容体活性の調節に応答する状態の例は、喘息、鼻炎、アレルギー性気道症候群、アレルギー性鼻気管支炎(allergic rhinobronchitis)、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、鼻ポリープ、サルコイドーシス、農夫肺、肺線維症、嚢胞性線維症、慢性咳、結膜炎、アトピー性皮膚炎、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、エイズによる認知症、ハンチントン病、前頭側頭認知症、レヴィー小体認知症、血管性認知症、ギラン・バレー症候群、慢性脱髄性多発ニューロパチー、多巣性運動ニューロパチー、神経叢障害、多発性硬化症、脳脊髄炎、全脳炎、小脳変性症および脳脊髄炎、CNS外傷、片頭痛、脳卒中、関節リウマチ、強直性脊椎炎、ベーチェット病、滑液包炎、手根管症候群、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、皮膚筋炎、エーラー・ダンロス症候群(EDS)、線維筋痛、筋筋膜痛、変形性関節症(OA)、骨壊死、乾癬性関節炎、ライター症候群(反応性関節炎)、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、軟部組織疾患、スティル病、腱炎、結節性多発動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、筋炎(多発性筋炎、皮膚筋炎)、痛風、アテローム性動脈硬化症、エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス(SLE)、I型糖尿病、腎炎症候群、糸球体腎炎、急性および慢性腎不全、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、敗血症、敗血性ショック、心臓における虚血性再灌流障害、移植後の同種異系移植片拒絶、ならびに移植片対宿主病を含む。]
[0014] しかしながら、本発明が関与する化合物は、主として、喘息、慢性閉塞性肺疾患、鼻炎、アレルギー性気道症候群またはアレルギー性鼻気管支炎の治療のために価値がある。乾癬、アトピー性および非アトピー性皮膚炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、ならびに過敏性腸疾患は、本化合物が特定の有用性を有し得る他の具体的状態である。]
[0015] 本発明の別の態様は、薬学的に許容される担体または賦形剤と混合された本発明が関与する化合物を含む、医薬組成物である。]
[0016] 専門用語
本明細書において使用される場合、用語「(Ca〜Cb)アルキル」(ここで、aおよびbは整数である)は、a〜b個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。よって、例えば、aが1であり、bが6である場合、該用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む。]
[0017] 本明細書において使用される場合、用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を有する単環式飽和炭素環式基を指し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。]
[0018] 本明細書において使用される場合、制限のない用語「アリール」は、単環式、二環式または三環式の炭素環式芳香族基を指し、共有結合によって直接的に連結している2個の単環式炭素環式芳香環を有する基を含む。アリール基は、例えば、6〜14個の環炭素原子、好ましくは6〜10個の炭素原子を有し得る。アリール基の実例は、フェニル、ビフェニルおよびナフチルである。]
[0019] 本明細書において使用される場合、制限のない用語「ヘテロアリール」は、S、NおよびOから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する単環式、二環式または三環式の芳香族基を指し、共有結合によって直接的に連結している、2個のそのような単環式環または1個のそのような単環式環および1個の単環式アリール環を有する基を含む。そのような基の実例は、チエニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリルおよびインダゾリルである。]
[0020] 本明細書において使用される場合、用語「塩」は、塩基付加塩、酸付加塩および第4級塩を含む。酸性である本発明の化合物は、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、アルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウムおよび水酸化マグネシウム等の塩基と;有機塩基、例えば、N−メチル−D−グルカミン、コリントリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、L−アルギニン、L−リシン、N−エチルピペリジン、ジベンジルアミン等と、薬学的に許容される塩を含む塩を形成することができる。塩基との具体的な塩は、ベンザチン塩、カルシウム塩、ジオラミン塩、メグルミン塩、オラミン塩、カリウム塩、プロカイン塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩および亜鉛塩を含む。塩基性である本発明のそれらの化合物は、無機酸、例えば、塩酸もしくは臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸等と、ならびに、有機酸、例えば、酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、グルタミン酸、乳酸およびマンデル酸等と、薬学的に許容される塩を含む塩を形成することができる。化合物が第4級アンモニウム基を含有する場合、許容される対イオンは、例えば、クロリド、ブロミド、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレート)、ナパジシル酸塩(ナフタレン−1,5−ジスルホネートまたはナフタレン−1−(スルホン酸)−5−スルホネート)、エジシル酸塩(エタン−1,2−ジスルホネートまたはエタン−1−(スルホン酸)−2−スルホネート)、イセチオン酸塩(2−ヒドロキシエチルスルホネート)、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、キシナホ酸塩、p−アセトアミドベンゾエート等であってよく、ここで、第4級アンモニウム種の数は、化合物が正味の電荷を有さないように薬学的に許容される塩と平衡する。]
[0021] 塩については、「Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,selection and use」、P.Heinrich StahlおよびCamille G.Wermuth、Wiley−VCH、2002において論じられている。]
[0022] 用語「溶媒和物」は、本明細書において、本発明の化合物および化学量論量の1種または複数の薬学的に許容される溶媒分子、例えばエタノールを含む分子錯体を記述するために使用される。用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に用いられる。]
[0023] 本発明が関与する化合物は、不斉原子または回転制限の存在により、1つまたは複数の立体異性形態で存在し得、そのような場合、各キラル中心にRもしくはS立体化学を有するいくつかの立体異性体として、または各キラル軸にRもしくはS立体化学を有するアトロプ異性体として存在し得る。本発明は、そのような鏡像異性体およびジアステレオ異性体ならびにそれらの混合物をすべて含む。]
[0024] 本発明が関与する化合物のエステル等のプロドラッグの使用も、本発明の一部である。「プロドラッグ」は、代謝的手段によって(例えば、加水分解、還元または酸化によって)式(I)の化合物にインビボで変換可能な化合物を意味する。例えば、式(I)の化合物のエステルプロドラッグは、インビボでの加水分解によって親分子に変換可能となり得る。式(I)の化合物の適切なエステルは、例えば、酢酸エステル、クエン酸エステル、乳酸エステル、酒石酸エステル、マロン酸エステル、シュウ酸エステル、サリチル酸エステル、プロピオン酸エステル、コハク酸エステル、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、メチレン−ビス−β−ヒドロキシナフトエ酸エステル、ゲンチシン酸エステル、イセチオン酸エステル、ジ−p−トルオイル−酒石酸エステル、メタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエン−スルホン酸エステル、シクロヘキシルスルファミン酸エステルおよびキナ酸エステルである。エステルプロドラッグの例は、F.J.Leinweber、Drug Metab.Res.、1987、18、379頁によって記載されているものである。本明細書において使用される場合、式(I)の化合物への言及は、プロドラッグ形態も含むように意図されている。]
[0025] 本発明が関与する化合物の構造的態様
R1およびR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、CNまたはCF3である。本発明の化合物の一サブセットにおいて、R1はフルオロであり、R2は水素である。本発明の化合物の別のサブセットにおいて、R1は水素であり、R2はフルオロである。認められている置換基R1およびR2のすべての組合せが許容される。]
[0026] Ar1およびAr2は、独立に、フェニルまたは5もしくは6員のヘテロアリールである。そのような環の例は、フェニル、ピロール、イミダゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジンおよびピラジンを含む。現在好ましいのは、Ar1およびAr2の両方がフェニル環である場合である。]
[0027] Ar1およびAr2は、フルオロ、クロロ、CN、シクロプロピル等のC3〜C7シクロアルキル、メトキシ等のO(C1〜C4アルキル)、メチル等のC1〜C6アルキルから独立に選択される1個または複数の置換基で必要に応じて置換されていてよく、あるいは後者の2個の基は、トリフルオルメトキシ(trifluormethoxy)またはトリフルオロメチルの場合と同様に、1個または複数のフッ素原子で必要に応じて置換されている。]
[0028] 現在、基Ar2X−は、残りの分子とのAr1の結合点に対して、環Ar1のパラ位、より好ましくはオルト位にあるのが好ましい。]
[0029] 本発明の特定化合物は、本明細書における実施例の化合物を含む。]
[0030] 組成物
上述の通り、本発明が関与する化合物はCRTH2受容体アンタゴニストであり、そのような調節から利益を得る疾患の治療において有用である。そのような疾患の例は、上記で言及されており、喘息、鼻炎、アレルギー性気道症候群、気管支炎および慢性閉塞性肺疾患を含む。]
[0031] 任意の特定の患者のための具体的な用量レベルは、用いられる特定化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、食習慣、投与時間、投与経路、排泄率、薬物組合せおよび治療を受けている特定の疾患の重症度を含む多様な要因によって決まることが理解されるであろう。最適な用量レベルおよび投薬の頻度は、医薬技術分野において要求される通り、臨床試験によって決定される。概して、日用量の範囲は、単回または分割量で、哺乳動物の体重1kg当たり約0.001mg〜約100mg、多くの場合、1kg当たり0.01mg〜約50mg、例えば、1kg当たり0.1〜10mgの範囲内となる。一方、いくつかの場合において、これらの限度を外れる投薬量を使用することが必要となり得る。]
[0032] 本発明が関与する化合物は、その薬物動態特性と一致する任意の経路による投与のために調製され得る。経口的に投与可能な組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、舐剤;経口、局所または滅菌非経口液剤または懸濁剤等の液体またはゲル製剤の形態であってよい。経口投与用の錠剤およびカプセル剤は、単位用量提示形態であってよく、結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン;増量剤、例えば、乳糖、砂糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;錠剤化滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプン、またはラウリル硫酸ナトリウム等の許容される湿潤剤等、従来の賦形剤を含有し得る。錠剤は、通常の医薬実務において周知の方法に従ってコーティングされていてよい。経口液体製剤は、例えば、水性もしくは油性懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤またはエリキシル剤の形態であってよく、あるいは、使用前の水または他の適切なビヒクルによる再構成用の乾燥生成物として提示されてもよい。そのような液体製剤は、懸濁化剤、例えば、ソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン水素化食用脂;乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含み得る)、例えば、アーモンド油、ヤシ油(fractionated coconut oil)、グリセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコール等の油性エステル;保存料、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸等の従来の添加物、および必要に応じて従来の香味剤または着色剤を含有し得る。]
[0033] 皮膚への局所適用のために、薬物を、クリーム、ローションまたは軟膏に加工してよい。薬物に使用され得るクリームまたは軟膏配合物は、例えば、British Pharmacopoeia等の薬剤学の標準的な教科書において記載されている通り、当技術分野において周知である従来の配合物である。]
[0034] 薬物は、吸入用に、例えば、鼻腔用スプレー、または乾燥粉末もしくはエアゾール吸入剤としても配合され得る。吸入による送達のためには、活性化合物は微小粒子の形態であるのが好ましい。微小粒子は、噴霧乾燥、凍結乾燥および微粉化を含む多様な技術によって調製され得る。エアゾール生成は、例えば、圧力駆動のジェット噴霧器または超音波噴霧器を使用して、好ましくは、例えば、吸入カプセルまたは他の「乾燥粉末」送達系からの微粉化された活性化合物の噴射剤駆動の定量エアゾールまたは噴射剤なしの投与を使用して行われ得る。]
[0035] 活性成分を、滅菌媒体中で非経口的に投与してもよい。使用されるビヒクルおよび濃度に応じて、薬物をビヒクルに懸濁させてよく、また溶解してもよい。有利には、局所麻酔薬、保存料および緩衝剤等のアジュバントをビヒクルに溶解してよい。]
[0036] プロスタグランジン媒介性の疾患の予防および治療のために、他の化合物を本発明が関与する化合物と組み合わせてよい。よって、本発明は、治療有効量の本発明の化合物および1種または複数の他の治療剤を含む、PGD2媒介性の疾患を予防し治療するための医薬組成物にも関与する。本発明の化合物との併用療法に適切な治療剤は、(1)フルチカゾン、シクレソニドまたはブデソニド等のコルチコステロイド類;(2)サルメテロール、インダカテロールまたはホルモテロール等のβ2−アドレナリン受容体アゴニスト;(3)ロイコトリエン調節剤、例えば、モンテルカスト、ザフィルラスト(zafirulast)もしくはプランルカスト等のロイコトリエンアンタゴニスト、またはジレウトンもしくはBAY−1005等のロイコトリエン生合成阻害剤;(4)抗コリン剤、例えば、臭化チオトロピウム等のムスカリン−3(M3)受容体アンタゴニスト;(5)ロフルミラストまたはシロミラスト等のホスホジエステラーゼ−IV(PDE−IV)阻害剤;(6)抗ヒスタミン薬、例えば、フェキソフェナジン、シチリジン(citirizine)、ロラチジンまたはアステミゾール等の選択的ヒスタミン−1(H1)受容体アンタゴニスト;(7)コデインまたはデキストラモルファン(dextramorphan)等の鎮咳剤;(8)イブプロフェンまたはケトプロフェン等の非選択的COX−1/COX−2阻害剤;(9)セレコキシブおよびロフェコキシブ等のCOX−2阻害剤;(10)WO97/03094およびWO97/02289に記載されているもの等のVLA−4アンタゴニスト;(11)TACE阻害剤およびTNF−α阻害剤、例えば、レミケードおよびCDP−870等の抗TNFモノクローナル抗体、ならびにエンブレル等のTNF受容体免疫グロブリン分子;(12)マトリックスメタロプロテアーゼの阻害剤、例えばMMP12;(13)WO2005/026124、WO2003/053930およびWO06/082412に記載されているもの等のヒト好中球エラスターゼ阻害剤;(14)EP1052264およびEP1241176に記載されているもの等のA2aアゴニスト;(15)WO2002/42298に記載されているもの等のA2bアンタゴニスト;(16)ケモカイン受容体機能の調節剤、例えば、CCR3およびCCR8のアンタゴニスト;(17)他のプロスタノイド受容体の作用を調節する化合物、例えばトロンボキサンA2アンタゴニスト;ならびに(18)PPARアゴニスト等、Th2機能を調節する作用物質を含むがこれらに限定されない。]
[0037] 本発明の化合物対第2の活性成分の重量比は変動し得、各成分の有効用量によって決まる。概して、それぞれの有効用量が使用される。]
[0038] 合成
本発明が関与する化合物の合成のための複数の合成戦略があるが、いずれも、合成有機化学者に既知である、既知の化学に依存する。よって、本発明の化合物は、標準的な文献に記載されており、当業者に周知である手順に従って合成できる。典型的な文献出典は、「Advanced organic chemistry」、第4版(Wiley)、J.March、「Comprehensive Organic Transformation」、第2版(Wiley)、R.C.Larock、「Handbook of Heterocyclic Chemistry」、第2版(Pergamon)、A.R.Katritzky、または「Synthesis」、「Acc.Chem.Res.」、「Chem.Rev.」もしくはオンラインでの標準的な文献検索によって識別される一次的な文献出典に見られるような総説、または「Chemical Abstracts」もしくは「Beilstein」等の二次出典からの総説である。当然ながら、インドール化合物の合成に関する広範な文献が特に関連している。]
[0039] 式(I)の化合物の調製に使用される中間体において、式(I)の化合物の形成をもたらす反応におけるそれらの望ましくない関与を回避するために、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、チオまたはカルボキシ)を保護することが必要となり得る。従来の保護基、例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective groups in organic chemistry」、John Wiley and Sons、1999において記載されている保護基が使用され得る。]
[0040] 本発明の式(I)の化合物は、本明細書において上記で先に記載した塩等、その薬学的に許容される塩の形態で単離することができる。単離された塩に相当する遊離酸形態は、酢酸および塩酸等の適切な酸による酸性化ならびに発生した遊離酸の有機溶媒中への抽出、それに続く蒸発によって生成することができる。このようにして単離された遊離酸形態は、有機溶媒への溶解、それに続く適切な塩基の添加、およびその後の蒸発、沈殿または結晶化によって、別の薬学的に許容される塩にさらに変換され得る。]
[0041] 式(Ia)の化合物[式中、X、R1、R2、Ar1およびAr2は、上記式(I)について定義された通りである]は、式(II)のインドール[式中、Eは水素またはアルキル基を表す]と式(III)の適切なアルキル化剤[式中、LGは適切な脱離基(例えば、クロロ、ブロモまたはメタンスルホニルオキシ)を表す]との間の反応によって調製できる(スキーム1)。典型的には、アルキル化反応は、不活性溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミド)中、塩基(例えば、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウム)の存在下で行われる。保護された形態の(II)に対して反応が行われる場合、本発明の望ましい化合物(Ia)を得るためには、適切な脱保護ステップが必要とされることを理解されたい。]
[0042] ]
[0043] 式(II)の化合物は、市販されているか、または既知の方法によって調製できる。式(III)の化合物は、式(V)の化合物の式(IV)の中間体アルコールへの還元、それに続く適切なハロゲン化(例えば三臭化リン)またはトリフレート化(例えばトリフルオロメタンスルホン酸無水物)剤との反応によって調製できる(スキーム2)。]
[0044] ]
[0045] 式(Va)の化合物[式中、XはSO2基を表す]は、ペルオキシ一硫酸カリウム、メタ−クロロペルオキシ安息香酸または他の周知の酸化剤等の適切な酸化剤による式(VI)の化合物の酸化によって調製できる(スキーム3)。]
[0046] ]
[0047] 式(VI)の化合物は、式(VII)の中間化合物[式中、Tは、クロロ、ブロモもしくはヨード原子、またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す]から、炭酸カリウム等の適切な塩基の存在下における式(VIII)のチオールとの反応によって調製できる(スキーム4)。代替として、反応は、エタノール等のプロトン性溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等の適切な触媒の存在下で行ってもよい。式(VII)および(VIII)の化合物は、市販されているか、または既知の方法によって調製できる。]
[0048] ]
[0049] 式(Vb)の化合物[式中、XはSO2NR3基を表す]は、式(IX)の化合物と式(X)のアミンとの間の反応によって調製できる(スキーム5)。反応は、適切な塩基(例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)および溶媒(例えば、ジクロロメタンまたはジクロロエタン)の存在下、0℃〜溶媒の還流温度の範囲の温度で、好ましくは、ほぼ室温で行ってよい。式(IX)および(X)の化合物は、市販されているか、または既知の方法によって調製できる。]
[0050] ]
[0051] 代替として、式(III)の中間化合物[式中、LGはクロロまたはブロモ基を表す]は、式(XI)の化合物から、適切なラジカル開始剤(例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルまたは過酸化ベンゾイル)の存在下、N−クロロコハク酸イミドまたはN−ブロモコハク酸イミドによる処理によって調製できる(スキーム6)。]
[0052] ]
[0053] 式(XIa)の化合物[式中、XはSO2基を表す]は、式(VII)および(VIII)の化合物からの式(Va)の化合物の調製について上述した方法(スキーム3および4)を使用して、式(VIII)および(XII)の化合物から調製できる(スキーム7)。式(XII)の化合物は、市販されているか、または既知の方法によって調製できる。]
[0054] ]
[0055] 式(XIb)の化合物[式中、XはSO2NR3基を表す]は、式(X)および(XI)の化合物からの式(Vb)の化合物の調製について上述した方法(スキーム5)を使用して、式(X)および(XIII)の化合物から調製できる(スキーム8)。式(XIII)の化合物は、市販されているか、または既知の方法によって調製できる。]
[0056] ]
[0057] 実施例
1HNMRスペクトルは、Varian Unity Inova(400MHz)質量分析計を三重共鳴5mmプローブ質量分析計とともに使用して周囲温度で記録した。化学シフトは、テトラメチルシランに対するppmで表現されている。下記の略号を使用した:br s=広幅一重項、s=一重項、d=二重項、dd=二重二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項。]
[0058] 保持時間および関連する質量イオンを測定するための質量分析(LCMS)実験は、下記の方法を使用して実施した。]
[0059] 方法A:実験は、Higgins Clipeus C18 5μm 100×3.0mmカラムおよび2mL/分の流速を使用する陽イオンエレクトロスプレーおよび単一波長UV254nmの検出により、Micromass Platform LCT質量分析計で実施した。初期溶媒系は、最初の1分間は0.1%のギ酸を含有する95%の水(溶媒A)および0.1%のギ酸を含有する5%のアセトニトリル(溶媒B)であり、それに続く次の14分間にわたって、最大5%の溶媒Aおよび95%の溶媒Bの勾配であった。最終溶媒系をさらに2分間一定に維持した。]
[0060] 方法B:実験は、Phenomenex Luna C18(2) 30×4.6mmカラムおよび2mL/分の流速を使用する陽および陰イオンエレクトロスプレーならびにELS/ダイオードアレイ検出によってMicromass Platform LC質量分析計で実施した。溶媒系は、最初の0.50分間は95%の溶媒Aおよび5%の溶媒Bであり、それに続く次の4分間にわたって、最大5%の溶媒Aおよび95%の溶媒Bの勾配であった。最終溶媒系をさらに0.50分間一定に維持した。]
[0061] {5−フルオロ−1−[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}酢酸]
[0062] ]
[0063] 調製1a:2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンズアルデヒド
ジクロロメタン(43mL)中の2−(4−フルオロフェニルスルファニル)ベンズアルデヒド(1.0g)の溶液を、3−クロロペルオキシ安息香酸(2.9g)で少量ずつ処理し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で希釈し、ジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3×25mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を白色固体(0.89g)として得た。]
[0064] 1H NMR(CDCl3): δ 7.22 (m, 2H), 7.72-7.80 (m, 2H), 7.93 (m, 2H), 8.03 (m, 1H), 8.17 (m, 1H), 10.84 (s, 1H).]
[0065] 調製1b:[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)フェニル]メタノール
0℃のメタノール(34mL)中の2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンズアルデヒド(0.89g)の溶液を、水素化ホウ素ナトリウム(0.038g)で処理し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を1.0M塩酸水溶液(3.0mL)で希釈し、減圧下で濃縮した。残留物をジエチルエーテルで希釈し、水(2×20mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を無色油(0.89g)として得た。]
[0066] 1H NMR(CDCl3): δ 2.99 (br s, 1H), 4.76 (d, J = 5.0, 2H), 7.20 (m, 2H), 7.52 (ddd, J = 1.5, 7.8, 7.8 Hz, 2H), 7.58 (dd, J = 1.3, 7.5 Hz, 1H), 7.64 (ddd, J = 1.4, 7.5, 7.5 Hz, 1H), 7.92 (m, 2H), 8.10 (dd, J = 1.3, 7.9 Hz, 1H).]
[0067] 調製1c:2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジルブロミドの調製
0℃のジクロロメタン(16mL)中の[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)フェニル]メタノール(0.86g)の溶液を、三臭化リン(0.30mL)で処理し、得られた混合物を室温で10分間撹拌した。混合物を、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)の混合物に注ぎ入れた。水相をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(体積で1:0〜3:2)の混合物で溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色油(0.27g)として得た。]
[0068] 1H NMR(CDCl3): δ 4.89 (s, 2H), 7.20 (m, 2H), 7.51 (ddd, J =1.7, 7.1, 8.3 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 1.7, 7.8 Hz, 1H), 7.61 (ddd, J = 1.7, 7.0, 7.8 Hz, 1H), 7.94 (m, 2H), 8.17 (dd, J = 1.4, 8.0 Hz, 1H).]
[0069] 調製1d:{5−フルオロ−1−[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジル]−2−メチル−1H−インドリル}酢酸エチルエステル
ジメチルスルホキシド(1.4mL)中の(5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)酢酸エチルエステル(0.064g)の溶液を、水素化ナトリウム(鉱油中60%スラリー、0.016g)で処理し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジルブロミド(0.13g)およびヨウ化カリウム(0.068g)で処理し、得られた混合物を室温で12時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(2.0mL)および水(25mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(体積で1:0〜3:2)の混合物で溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色油(0.079g)として得た。]
[0070] MS:ESI (+ve) (方法B): 484 (M+H)+, 保持時間 4.3分
1H NMR(CDCl3): δ 1.24 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 2.05 (s, 3H), 3.65 (s, 2H), 4.13 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 5.48 (s, 2H), 6.27 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.52 (dd, J = 4.1, 8.8 Hz, 1H), 6.73 (ddd, J = 2.4, 9.0, 9.0 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 2.3, 9.4 Hz, 1H), 7.28 (m, 2H), 7.37 (ddd, J = 1.4, 7.7, 7.7 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 7.7, 7.7, 1.2 Hz, 1H), 8.00 (m, 2H), 8.21 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H).]
[0071] 調製1e:{5−フルオロ−1−[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}酢酸
テトラヒドロフラン(1.4mL)中の{5−フルオロ−1−[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジル]−2−メチル−1H−インドリル}酢酸エチルエステル(0.041g)の溶液を、2.0M水酸化リチウム水溶液(1.4mL)で処理し、得られた混合物を室温で17時間撹拌した。混合物を水(10mL)で希釈し、1.0M塩酸水溶液の添加によってpHを4に調整し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を分取逆相HPLCによって精製して、表題化合物を白色固体(0.023g)として得た。]
[0072] MS:ESI (+ve) (方法A): 456 (M+H)+, 保持時間 11.2分
1H NMR(DMSO-d6): δ 1.91 (s, 1H), 3.56 (s, 2H), 5.48 (s, 2H), 6.13 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.66-6.75 (m, 2H), 7.19 (dd, J = 2.2, 10.0 Hz, 1H), 7.46-7.57 (m, 4H), 8.11 (m, 2H), 8.17 (dd, J = 1.4, 7.7 Hz, 1H), 12.14 (br s, 1H).]
[0073] {6−フルオロ−1−[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}酢酸]
[0074] ]
[0075] 調製2a:(6−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)酢酸エチルエステル
(3−フルオロフェニル)ヒドラジン塩酸塩(3.5g)、4−オキソ−ペンタン酸(2.3g)およびエタノール(24mL)の混合物を、硫酸(2.0mL)で処理し、得られた反応混合物を85℃で3日間撹拌した。混合物を室温に冷却し、氷および水の混合物上に注ぎ、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、シクロヘキサン、酢酸エチルおよびギ酸(体積で1:0:0.001〜0:1:0.001)の混合物で溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を黄色油(0.40g)として得た。]
[0076] MS:ESI (+ve) (方法B): 236 (M+H)+, 保持時間3.5分.]
[0077] 調製2b:{6−フルオロ−1−[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}酢酸エチルエステル
表題化合物は、(6−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)酢酸エチルエステルおよび2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジルブロミドを使用し、調製1dの方法によって調製した。]
[0078] MS:ESI (+ve) (方法B): 484 (M+H)+, 保持時間 4.2分
1H NMR(CDCl3): δ 1.23 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 2.07 (s, 3H), 3.67 (s, 2H), 4.14 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 5.43 (s, 2H), 6.17 (dd, J= 2.1, 9.7 Hz, 1H), 6.33 (dd, J = 1.0, 7.7 Hz, 1H), 6.83 (dt, J = 2.2, 8.5 Hz, 1H), 7.38 (m, 5H), 8.00 (m, 2H), 8.24 (dd, J = 1.3, 7.7 Hz, 1H) 12.6 (br s, 1H).]
[0079] 調製2c:{6−フルオロ−1−[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}酢酸
テトラヒドロフラン(5.0mL)中の{6−フルオロ−1−[2−(4−フルオロベンゼンスルホニル)ベンジル]−2−メチル−1H−インドリル}酢酸エチルエステル(0.095g)の溶液を、1.0M水酸化リチウム水溶液(0.5mL)で処理し、得られた混合物を室温で22時間撹拌した。混合物を水(10mL)で希釈し、1.0M塩酸水溶液の添加によってpHを5に調整し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、ジクロロメタン、酢酸エチルおよびギ酸(体積で1:0:0.001〜0:1:0.001)の混合物で溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色固体(0.067g)として得た。]
[0080] MS:ESI (+ve) (方法A): 456 (M+H)+, 保持時間 11.2分
1H NMR(DMSO-d6): δ 1.94 (s, 3H), 3.61 (s, 2H), 5.49 (s, 2H), 6.22 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.46 (dd, J = 2.2, 10.2 Hz, 1H), 6.83 (m, 1H), 7.44 (dd, J = 5.5, 8.7 Hz, 1H), 7.54 (m, 4H), 8.16 (m, 2H), 8.24 (dd, J = 1.4, 7.7 Hz, 1H).]
[0081] 生物学的方法
CRTH2受容体からPGD2を移動させる本発明の化合物の能力を測定するために、下記の生物学的試験法を使用して該化合物を試験した。]
[0082] CRTH2放射性リガンド結合アッセイ
受容体結合アッセイは、200μLの結合緩衝液[10mMのBES(pH7.4)、1mMのEDTA、10mMの塩化マンガン、0.01%のBSA]および1nMの[3H]−PGD2(Amersham Biosciences UK Ltd)の最終体積で実施する。一定量のDMSO(1体積%)を含有するアッセイ緩衝液中にリガンドを添加する。全結合はアッセイ緩衝液中1体積%のDMSOを使用して測定し、非特異的結合は10μMの非標識PGD2(Sigma)を使用して測定する。CRTH2受容体を発現しているヒト胎児腎臓(HEK)細胞膜(3.5μg)を、1.5mgのコムギ胚芽凝集素SPAビーズおよび1nMの[3H]−PGD2(Amersham Biosciences UK Ltd)とともにインキュベートし、混合物を室温で3時間インキュベートする。Microbeta TRILUX液体シンチレーションカウンター(Perkin Elmer)を使用して、結合した[3H]−PGD2を検出する。化合物のIC50値は、片対数化合物希釈系列を用いる2通りの6点用量反応曲線を使用して測定する。IC50の算出は、ExcelおよびXLfit(Microsoft)を使用して実施し、この値は、チェン−プルソフ式を使用して試験化合物のKi値を決定するために使用される。]
実施例

[0083] 生物学的結果
上記実施例のすべての化合物を、上述したCRTH2放射性リガンド結合アッセイで試験し、該化合物は、結合アッセイにおいて1μM未満のKi値を有していた。例えば、実施例1は、66nMのKi値を有していた。]
权利要求:

請求項1
式(I)のインドール誘導体である化合物[Xは−SO2−または*−SO2NR3−であり、ここで、アスタリスクが付いている結合はAr1と結合しており、R1およびR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、CNまたはCF3であり、R3は、水素、C1〜C8アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであり、Ar1およびAr2は、独立に、フェニル、または5もしくは6員のヘテロアリール基であり、ここで、前記フェニルまたはヘテロアリール基は、フルオロ、クロロ、CN、C3〜C7シクロアルキル、−O(C1〜C4アルキル)またはC1〜C6アルキルから独立に選択される1個または複数の置換基で必要に応じて置換されており、後者の2個の基は、1個または複数のフッ素原子で必要に応じて置換されている]。
請求項2
R2が水素であり、R1がフルオロである、請求項1に記載の化合物。
請求項3
R2がフルオロであり、R1が水素である、請求項1に記載の化合物。
請求項4
環Ar1がフェニル環である、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
請求項5
環Ar2がフェニル環である、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
請求項6
Ar1およびAr2中の必要に応じた置換基が、クロロ、フルオロ、−CN、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、メトキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
請求項7
前記基Ar2X−が、残りの分子とのAr1の結合点に対して、環Ar1のオルト位にある、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
請求項8
前記請求項のいずれかに記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
請求項9
喘息、慢性閉塞性肺疾患、鼻炎、アレルギー性気道症候群またはアレルギー性鼻気管支炎の治療用の組成物の製造のための、請求項1から7のいずれかに記載の化合物の使用。
請求項10
乾癬、アトピー性および非アトピー性皮膚炎、クローン病、潰瘍性大腸炎または過敏性腸疾患の治療用の組成物の製造のための、請求項1から7のいずれかに記載の化合物の使用。
請求項11
喘息、慢性閉塞性肺疾患、鼻炎、アレルギー性気道症候群またはアレルギー性鼻気管支炎に罹患している患者に、有効量の請求項1から7のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、そのような疾患の治療方法。
請求項12
乾癬、アトピー性および非アトピー性皮膚炎、クローン病、潰瘍性大腸炎または過敏性腸疾患に罹患している患者に、有効量の請求項1から7のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、そのような疾患の治療方法。
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同族专利:
公开号 | 公开日
EP2245010A1|2010-11-03|
WO2009090399A1|2009-07-23|
US20110060026A1|2011-03-10|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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